『外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究』から見える注目ポイント(その1)【動画有り】
こんにちは。
ケアネットワーク協同組合の元木です。
(↑注:干支は未です)
今回は「『外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究』から見える注目ポイント(その1)」というテーマです。
【今回の調査レポートについて】
『外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究』とは厚生労働省の補助金を利用して民間シンクタンクがまとめたレポートで『EPA 介護職員、技能実習生、在留資格「介護」を受け入れている施設・事業所を対象に、外国人介護職員を受け入れている施設における人材育成やキャリア支援の実態、課題等を把握する』ことと『外国人介護職員本人が定着している、もしくは定着意向が強い事業所で、どのようなキャリア支援が行われているか分析することで、外国人介護職員の定着支援に有効な事業所の取組を把握する』ことを目的として、2020年3月にリリースされました。
外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究事業 【報告書】:フルバージョン
外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究事業 【報告書概要版】:概要版
【外国人介護職員に対する期待】
『外国人介護職員に対する期待』という項目では『施設・事業所の半数以上(52.8%)が、外国人介護職員に「なるべく長く働いてほしい」と考えている』という調査結果が出ており、事業所側は制度による年数制限とは無関係に、
現在所属している外国人材に対して長期の就労を望んでいる
事が見て取れます。
また『外国人介護職員に期待する役割は、「外国人介護職員を指導する役割」(68.0%)、「施設・事業所に定着するロールモデル」(65.4%)など』、
後続で受け入れる外国人材へのリーダー的な役割
を期待しているようです。
【外国人技能実習生への支援】
『外国人介護職員の就労環境や生活面に対する支援状況』という項目では、外国人介護職員の就労環境や生活面の具体的な支援が挙げられています。「住居の確保」や「行政手続きや住まいの契約手続き等の支援」等はなかば当然でもあるため、非常に高い割合となっています。また、割合としてはさほど高くは無いですが、「文化・風習への配慮」や「気候等の環境への対応に関する支援」、「信仰上の配慮」といった日本人介護職員に対してはあまり考慮されない項目が散見されており、事業所としては積極的に支援する姿勢が望ましいと思われます。
【夜勤業務、引継ぎ・申し送り】
『施設(上司)からの評価①(夜勤業務、引継ぎ・申し送り)』という項目では「夜勤業務」について在留資格別に分類しています。特定活動(EPA介護福祉士候補者)、特定活動(EPA介護福祉士)、在留資格「介護」の外国人人材においては約55%~85%の外国人介護職員が夜勤を行っている反面、技能実習は約11%(注)にとどまっています。
「引継ぎ・申し送りの理解」については「理解し、行動することができる」というレベルを含めると、在留資格にあまり関係無く90%以上がクリアしています。
(注:あくまで 個人的な見解になりますが、夜勤における技能実習の「約11%」という数字はかなり低く感じます。このように低い結果となった理由は不明ですが、当組合の事業所様に同様のアンケートをすれば、おそらく50%は超えると思います。)
【最後に】
多くの事業所で受け入れられつつある外国人介護人材ですが、まだ歴史が浅く、近年でも複数の新しい制度がスタートしていることもあり、「標準(スタンダード)」が確立していません。こうした公的な調査も参考に業界全体で徐々に「標準(スタンダード)」が確立してくると思われます。
今回のblogの解説動画です(画像をクリックしてください)
『外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究』から見える注目ポイント(その1):blog解説
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よろしくお願いします。(M)