2021.06.10

介護技能実習生の日本語能力と学習支援

こんにちは。 

ケアネットワーク協同組合の元木です。

(↑注:血液型はA型です)


今回は本題の前にひとつネット記事を紹介したいと思います。

熊本県は外国人技能実習生受入の事業者に最大で100万円支援

(ソース:ASEAN PORTAL

内容としては『県内事業者などが雇用する外国人技能実習生などを海外から受け入れる際、新型コロナウイルス感染症の水際対策として国から要請されている入国後14日間の待機や公共交通機関の不使用などのコロナ対策で追加でかかってしまった費用の一部を熊本県が負担する』というものです。外国人材採用を支援するこの種の補助金事業、実は都道府県単位にとどまらず、市町村単位でもいろいろあって、該当する事業者にとってはとてもありがたい制度なのです。しかしながら、大々的に告知(PR)されていない場合がほとんどなので、常日頃から行政のこうした情報に関するアンテナを張っておくことが肝要で、自分も何か見つけたらこのblogでも紹介させて頂きたいと思います。


さて、本題です。今回は「介護技能実習生の日本語能力と学習支援」というテーマです。

【介護技能実習生に求められる日本語能力】

日本語能力に関して、技能実習の他の職種と異なり、『介護』ではハードルが高く設定されています。技能実習制度の職種として『介護』が追加された当初は

第1号技能実習(1年目):日本語能力試験のN4に合格している者その他これと同等以上の能力を有すると認められる者であること。

第2号技能実習(2年目,3年目):日本語能力試験のN3に合格している者その他これと同等以上の能力を有すると認められる者であること。

と定められました。

ただし、第2号技能実習に関する「N3に合格」という条件に関しては、厳しすぎるとの意見があり、現在ではN3に合格していなくても「引き続き日本語を学んでいく意思を明らかにしていること、実際に日本語の学習に取り組んでいくことなどを条件」として、

「N4」のままでも技能実習を継続できる

ようになっています。


【N1~N5 認定の目安】

監理組合であるケアネットワーク協同組合の職場では、普段から「N4」や「N3」という言葉が飛び交いますが、改めてその定義を日本語能力試験のHPから再確認してみましょう。

N1:幅広い場面で使われる日本語を理解することができる

 新聞社説や評論を読んで内容を理解できる。自然なスピードの会話やニュースを聞いて理解できる。

N2:日常的場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる

 簡単な新聞記事、評論を読める。ニュースを理解できる。自然に近いスピードのまとまりのある会話を理解できる。

N3:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる

 新聞の見出しなど内容の大筋理解できる。自然なスピードに近い速さで話しても理解してもらえる。

N4:基本的な日本語を理解することができる

 身近話題の文章を読んで理解することができる。ややゆっくりと話せば理解できる。

N5:基本的な日本語をある程度理解することができる

 ひらがな・カタカナ・基本的な漢字で書かれた定型的な語句や文、文章を読んで理解できる。ゆっくり話はなされる短かい会話であれば、必要な情報を聞き取とることができる。

…と規定されています。

当り前ですが日本語能力検定試験は「聞く」「読む」「話す」「書く」というそれぞれの能力が総合的に求められるので、これだけでは話したり聞き取る能力のレベルはよくわからないというのが正直なところです😅


【N4なのに、すごくコミュニケーション能力が高い実習生がいる?】

現在、当組合の技能実習生の人数で国別で最も比率が高い国はフィリピンです。フィリピン人の技能実習生の中には、過去において、技能実習生として入国する以前に、興行ビザで来日して日本での労働経験のある者が何人かいます。彼女たちは同じN4でも、話したり聞き取る能力は総じて、とても高いレベルにあります。また、EPA介護福祉士候補者として、過去に来日し介護現場で働いた経験がある実習生もおり、同様に高い日本語能力を有しています。

ただし、こうした実習生は例外的な存在です

介護現場においてコミュニケーション能力は重要視されますが、入国要件であるN4を取得すると、どれくらい話せて聞くことができるのでしょうか?

以下は個人的な感想で述べさせて頂きます。

「過去に来日経験が無く初めて日本語を勉強してN4を取得した技能実習生」は、簡単にいうと、短いセンテンスの簡単な日本語を使用し、少しコミュニケーションがとれるレベルかと思います。(私が今まで会ったN4取得者はそのような方が多かったです)

当り前ですが日本語能力検定試験は読解力や筆記能力も重視されるのでN3→N2→N1とレベルがあがれば、単純にそれだけでよく話せるようになるというわけではありません。「N3だけど話すのは少したどたどしい」という実習生もいれば、「N4なのに日本語はペラペラ」という実習生もいます。


【事業所、組合による日本語学習支援】

N4で入国した介護技能実習生は日本での実習中にN3取得を目指しますが、日本語能力試験を受けるにあたって、日々の日本語学種は欠かせません。介護現場での実習(仕事)と平行して日本語学習の時間を確保することはなかなか難しい部分もあるでしょうが、当組合所属の全ての事業所様のにはご理解を頂いて、実習生の学習支援にご協力を頂いております。事業所様の方で実習生のために勉強時間を作っていただいたり、各レベルに分けて講習をしてくださったりと支援して頂いております。(いつも本当にありがとうございます)

また、当組合でも必要に応じて、組合スタッフと実習生とが適宜オンラインで日本語勉強をしています。


【最後に】

入国後の日本語学習は介護技能実習生本人の学習意欲に依る部分は大きいですが、周囲の環境によっても大きく変ってきます。

事業所としても、介護技能実習生が入国後も勉強を続けられるようにサポートすることが、彼/彼女たちの日本での生活を意義深いものにすること、職場でのコミュニケーション不足からくるトラブルを避けることを可能にする手助けになることを念頭に、ぜひ積極的に関わって頂きたいと存じます。

 

私たちケアネットワーク協同組合は「介護人材に育つ環境づくりのお手伝い」を合い言葉に、これからも組合員事業所様を最大限にバックアップして参ります。

 よろしくお願いします。(M