『外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究』から見える注目ポイント(その2)
こんにちは。
ケアネットワーク協同組合の元木です。
(↑注:大阪生まれです)
今回は「『外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究』から見える注目ポイント(その2)」というテーマです。
先日の記事の続編で、(その1)では「外国人介護職員受入れ事業所向けアンケート調査」で、事業所側からの視点でしたが(その2)は「外国人介護職員向けアンケート調査」で外国人介護職員側から視点となります。
外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究事業 【報告書】:フルバージョン
外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究事業 【報告書概要版】:概要版
【最近1年間で困ったこと】
『最近1年間で困ったこと』という問いには「日本語の勉強」、「介護の勉強」が高い回答率で、職種合計でそれぞれ約40%が挙げています。まぁ予想通りですね。しかし、
「とくにない」という回答も職種合計で約21%、技能実習では約25%と5人に1人もしくは4人に1人は困っていない
という結論は少し意外でした。
【将来の希望】
主な調査結果の『将来の希望』という項目では5年後の自分の将来像を尋ねたところ、『「日本で介護関連の仕事をしていきたい」と考えている割合が、全体で57.0%と最も高い割合』という調査結果が出ており、多くの外国人介護人材が日本で介護関連の仕事を希望していることがわかります。これが10年後ではという質問には『「日本以外で介護関連の仕事をしていきたい」と考えている割合が、全体で33.2%と最も高い割合』という結果になっており、長期的には日本以外(母国?)での介護関連の仕事を考えている層が多いようです。
【職場満足度と将来の希望の関係①】
5項目の就労条件(①給料、②休日の取りやすさ、③労働時間、④利用者との関係、⑤施設の職員)に関して《「満足」を4点~不満」を1点》と点数化して満足度を定義した上で、5年後、10年後の自分の将来像を尋ねたところ、
満足度が高いほど、「日本で介護関連に限って就労したい」と考えている割合が高くなる傾向
があります。また、満足度が高いほど、「日本で職種を限定せずに働きたい」と考える割合や、「その他」の割合が低くなる傾向もうかがえます。
【生活の安定と将来の希望】
「最近1年間、日本において困ったこと」という質問に対して困った事の件数が《0個:特にない~5個以上:多い》と分類した上で5年後、10年後の自分の将来像を尋ねたところ、
困ったことが少ないほど(生活が安定している)ほど、 「日本で介護関連に限って就労したい」と考えている割合が高まる傾向
が見て取れます。
【最後に】
ある程度予想はできたことですが、介護技能実習において職場環境の良さや実習生活の安定が、外国人介護人材にとって「現在の実習期間を終えた後も日本に残りたい」や「介護関連の仕事を続けていきたい」という前向きになる気持ちをアシストする傾向があるようです。受入れ事業所や監理団体としてもこうした環境作りを積極的に進めていくことが外国人介護人材と長く良い関係を築く基礎であることを認識したいですね。
私たちケアネットワーク協同組合は「介護人材に育つ環境づくりのお手伝い」を合い言葉に、これからも組合員事業所様を最大限にバックアップして参ります。
よろしくお願いします。(M)