2021.07.22

『介護職種に係る技能実習生の受入れの実態に関する調査研究報告書』から見える注目ポイント(その3)

こんにちは。 

ケアネットワーク協同組合の元木です。

(↑注:今日は「海の日」ですが元気に出勤しております)

本日は昨日に引き続き「『介護職種に係る技能実習生の受入れの実態に関する調査研究報告書』から見える注目ポイント(その3)」というテーマです。

本稿では『概要版』をベースに各項目を見ていきます。


【技能実習制度見直しに向けての論点①】

「技能実習制度による外国人介護人材の受入れについて、見直しの論点にはどのようなものが考えられるか。」という設問の「受入れ事業所の要件について:技能実習生を受け入れるために必要な体制」という項目に関して、最も多かった回答は『新規開設事業所であっても、法人による受入れのサポートがあること』でした。これは現行制度では開設後3年経過していなければ技能実習生を受入れができませんが、母体となる法人の傘下にある別の事業所で、既に技能実習生の受入をおこなっている実績やノウハウ等を保有していれば、その法人の新規開設の事業所は受入れを認めて欲しいという意図と思われます。

 A:実績もノウハウも持たない新規立ち上げ法人が開設した事業所

 B:他事業所で技能実習生の受入の実績やノウハウを持った既存法人が開設した事業所

が、ともに「受け入れが可能になるのは開設後3年経過」の縛りであることが果たして平等なのかどうか議論が起きる部分ではあると思います。(…まぁ、どこかで線引きが必要であることも事実ですが😅)


【技能実習制度見直しに向けての論点②】

「受入れ事業所の要件について:事業所ごとの受入れ人数枠の設定」という項目に関して、最も多かった回答は『現行の人数枠のままでよい(52.6%)』というもので、指導体制を確保するためには現行の受入れ人数枠が適切と判断する意見が多いことがわかります。一定の条件下での人数枠の拡大を求める声もありますが、現状ではあまり大きな要望とまでは至っていません。また、『常勤介護職10人以下の事業所においても、一定の条件のもとに複数名の技能実習生を受け入れたい(27.8%)』という、技能実習生のメンタル面への配慮からの声も一定数見られます。一人で小規模事業所に配属される実習生の不安を想像すると個人的には、これは一理あるかと思います。


【技能実習制度見直しに向けての論点③】

「受入れ事業所の要件について:適切な⽇本語要件」という項目に関しての回答では、『N3相当以上(70.9%)』が圧倒的に多く、入国時の条件である『N4相当(27.7%)』で良いと見る向きは少ないことがわかります。日本語能力に関して「N3だからOK、N4だからダメ」と一概に決めつけられない部分はありますが、やはり一定のレベルを期待する向きが多いことの表れのようです。


【技能実習制度見直しに向けての論点④】

「受入れ事業所の要件について:訪問系サービスが技能実習生受入れの対象となった場合の受入れに対する意向」という項目に関して、前向きな意見(『積極的に受け入れたい(5.9%)』、『受入れに向けて検討したい(15.7%)』)は20%程度で、否定的な『受け入れたくない(18.6%)』という意見と割合的には拮抗しています。(『どちらとも言えない・わからない (59.8%)』が最多)全般的に慢性的な人材不足に悩まされている介護職種においても訪問系サービスは特に厳しい状況にありますが、単独訪問が基本で非定型業務が多い訪問系サービスにおいては、技能実習生レベルの日本語能力と意思疎通能力では不安があると考える事業者が多いのでしょう。


【技能実習制度見直しに向けての論点⑤】

「受入れ事業所の要件について:訪問系サービスにおける技能実習生の受入れ可否」という項目に関しては、無条件に『可能』との回答は10.7%にとどまり、『難しい』が51.8%、『(サービス付き高齢者向け住宅等の)居住型であれば可能』が33.4%となっています。「(サービス付き高齢者向け住宅等の)居住型」であれば施設系サービスと同様と考えるのは不思議ではありません。

(本報告書とは関係の無い別の個人的な考えです)訪問系サービスの中でも、「訪問入浴サービス」であれば“3人一組”が基本なので、技能実習指導員が必ず同行する条件を附せば、技能実習生の受入は可能な介護サービスではないかと思います😅


【最後に】

3日間にわたって取りあげた『介護職種に係る技能実習生の受入れの実態に関する調査研究報告書』ですが、取りあげた項目以外にも興味深い点も数多くあったり、具体的な事業所名を挙げたうえで、受入れ事業所や監理団体の取り組みを紹介していたりと実に読み応えのある報告書となっていますので、お時間のある方はぜひご精読をお勧めします。(←と書いてる私自身もフルバージョンは1/5くらいしか読めていません…スミマセン💦💦💦)


私たちケアネットワーク協同組合は「介護人材に育つ環境づくりのお手伝い」を合い言葉に、これからも組合員事業所様を最大限にバックアップして参ります。

 よろしくお願いします。(M