2021.09.01

「外国人技能実習生の実習実施者に対する令和2年の監督指導、送検等の状況」が発表されました

こんにちは。 

ケアネットワーク協同組合の元木です。

(↑注:今日から9月。2021年も残り1/3ですね)

さて、今回は『「外国人技能実習生の実習実施者に対する令和2年の監督指導、送検等の状況」が発表されました』というテーマです。


【「外国人技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況」とは】

厚生労働省は毎年、発表している「外国人技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況」の最新版となる《外国人技能実習生の実習実施者に対する令和2年の監督指導、送検等の状況》を2021年8月27日付で発表しました。

《リンク》

 外国人技能実習生の実習実施者に対する令和2年の監督指導、送検等の状況を公表します

 技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況(令和2年)(pdf)

この発表は、全国の労働局や労働基準監督署が、令和2年に外国人技能実習生の実習実施者(技能実習生が在籍している事業場)に対して行った監督指導や送検等の状況について取りまとめたものです。労働基準監督署の調査は「臨検監督(通称:臨検)」と呼ばれ、大きくは「定期監督」と「申告監督」に分けられます。(その他に「災害時監督」、「再監督」があります)「定期監督」は一般的な調査で、対象事業所がランダムに選ばれ行われます、「申告監督」は主に労働者からの申告(告発)に基づいてその申告内容の真偽を確認するために行われます。


【概要と主な違反事項】

今回の発表における監督指導・送検の概要は以下の通りです。

■ 労働基準関係法令違反が認められた実習実施者は、監督指導を実施した8,124事業場(実習実施者)のうち5,752事業場(70.8%)。

■ 主な違反事項は、(1)使用する機械等の安全基準(24.3%)、(2)労働時間(15.7%)、(3)割増賃金の支払(15.5%)の順に多かった。

■ 重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは32件。

違反事項の主なTOP5は、

  1. 使用する機械等の安全基準(24.3%)

  2. 労働時間(15.7%)

  3. 割増賃金の支払(15.5%)

  4. 賃金の支払(10.4%)

  5. 就業規則(8.9%)

で、その他は「衛生基準」や「労働条件の明示」が挙がっています。


【業種別の傾向と違反率の推移】

技能実習の計画認定件数が多い5職種(機械・金属関係職種、食料品製造関係職種、繊維・衣服関係職種、建設関係職種、農業関係職種)のうち、業種業種別に「違反率(違反事業所数/監督指導実施事業所数)」が高い順位で並べると

  1. 建設 79.1%(888/1,122)

  2. 農業 73.5%(225/306)

  3. 食料品製造 70.1%(972/1,386)

  4. 繊維・衣服 67.4%(389/577)

  5. 機械・金属 65.6%(1,740/2,652)

となっています。また、技能実習全体(全業種)では70.8%(5,752/8,124)となっています。

ちなみに、去年の技能実習全体(全業種)の違反率は71.9%(6,796/9,455)で、違反率に関してはここ数年、ほぼ70%程度で推移しています。

なお、注意書きに、『違反は実習実施者に認められたものであり、技能実習生以外の労働者に関する違反も含まれる。』あるように、必ずしも技能実習生のみに対する労働基準法違反とは限りません


【臨検の特徴と外国人技能実習生からの申告増加】

臨検が実際に行われると、かなり細かい部分もチェックされるので、担当者が「労働基準法を遵守している」と思っていても不備を指摘される事が少なくありません。言い換えれば、指摘事項が無い方が珍しい検査とも言えるでしょうですので、技能実習を受け入れている事業所と技能実習を受け入れていない事業所を比較して、明らかに前者が著しく劣るというものではありません。(もちろん、指摘事項が無いに越したことが無いのは確かですが…)

気になる点は技能実習生から労働基準監督署に対して労働基準関係法令違反の是正を求めてなされた申告の件数が前年度の107件から192件とほぼ倍増していることです。申告内容は「賃金・割増賃金の不払」が163件と圧倒的に多くなっています。


【最後に】

今回の発表における資料内では、喜ばしいことに、具体的な事例を含めて、業種別の「介護」が取り上げられていませんでした。以前の記事《データから見る「技能実習制度」における失踪者の数と割合(介護業界ではどうなのか)》で「技能実習の介護分野における失踪が少ない理由」の一つとして「他の職種と比べて、社会福祉法人や医療法人といった法人比率が高く、労働環境が整っている割合が高い」という要素を挙げましたが、同じような理由だと思われます。


私たちケアネットワーク協同組合は「介護人材に育つ環境づくりのお手伝い」を合い言葉に、これからも組合員事業所様を最大限にバックアップして参ります。

 よろしくお願いします。(M