水際対策を数的にも質的にもさらに緩和-世界の流れに取り残されないために-
こんにちは。
ケアネットワーク協同組合の元木です。
今回は「水際対策を数的にも質的にも緩和–世界の流れに取り残されないために–」というテーマです。
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4月から入国制限の上限は10,000人に緩和 -ただし留学生が中心?–
【入国者の数的緩和とともに入国時の検査も緩和へ】
日経新聞は2022年8月23日17:23付で『入国者、1日5万人に引き上げへ 新たなコロナ対策で』(A)という記事を、同日20:00付で『コロナ水際対策緩和へ 観光にはなお制限 「全数把握」見直し 感染者数集計は維持』(B)という記事(※)を掲載しました。(※)有料記事扱いですが、無料会員登録をすれば全文を読むことができます。
以下、記事本文を抜粋(『赤文字』)しながら、内容を紹介します。
(A)からみてみると、まず『政府は新型コロナウイルス感染症対策として、1日あたり2万人としている入国者数の上限を5万人に増やす方向で調整に入った。』と述べ、人数的な緩和だけでなく、『日本への入国・帰国時の検査の条件付き免除は、外国人も対象にする方針』とし、検査の緩和も計画されています。検査の緩和の理由としては『日本の水際措置は。海外から出国する前の72時間以内に受けた検査による陰性証明書を求めており、一部再開した訪日客受け入れの障害になっているとの批判が強い。こうした指摘を踏まえて、ワクチン接種済みなら外国人も含めて陰性証明書の取得を免除する方向だ。』としています。
次に(B)に目を移すと、(A)を前提にまず『政府は新型コロナウイルス感染症の水際対策や感染状況の把握方法を見直す方針だ。』と述べ、その狙いとして『感染者数が高止まりする中、医療機関の逼迫を防ぎながら経済を正常な状態に近づける』とし、経済的な面が優先されたことがうかがえます。
【数的緩和だけでは入国者数は伸び悩み傾向】
興味深い点は、(A)、(B)の両記事に共通して記述されていますが、現在の日本の入国者数に関して『日本政府観光局によると7月の訪日客数はおよそ14万人で、1日2万人の上限を大きく下回る。コロナ前の2019年7月の約300万人とは大きな開きがある』とし、現在の1日2万人の上限に関して、限界には到達していない状況です。ただ、この伸び悩み傾向の原因は、上記でも述べられていた『主要7カ国(G7)で最も厳しいとされる』水際対策の中の検査(入国時の72時間以内の陰性証明)が心理的かつ物理的な障害となっていると思われるため、入国時の検査も緩和する条件をセットにして1日5万人への数的緩和に踏み切るものと想像できます。
【コロナ禍においても緩和する意味】
日本における新型コロナの感染状況は、2022年7月初旬から増え続け、7月下旬には全国の新規感染者数は20万人を超える第7波に突入し、現在もその波に巻き込まれていることは皆さんもご存知のとおりです。首都圏や大阪などの大都市圏では既にピークアウトしたようにも見受けられますが、感染者数は高止まりしており、全国的には地方を中心にいまだ増加傾向にある地域も少なくありません。そうした状況の中で今回、あえて入国緩和に踏み切るのは、(A)、(B)の両記事でも『G7で日本のほかにコロナ対応で入国者数に制限を設けている国はない。』と記されているように、世界各国の流れに日本だけが取り残されるという恐怖感が政府関係者にあるものと思われます。
【最後に】
海外から日本への留学やビジネス関連の新規入国は今年の3月1日から再開され、技能実習生や特定技能外国人も新規入国が可能になりました。3月~5月あたりは、コロナ前に上陸許可を得ていた候補者が査証取得に殺到したり、入国者数の上限や入国後講習機関の受入れ人数のキャパシティの問題などから、スムーズに入国できないこともありましたが、そうしたラッシュはほぼ収束し、平静を取り戻したように思えます。また、今回の水際対策の緩和でもわかるように、現行程度の感染状況であれば日本への入国の扉が再び閉じられる可能性が低いことがわかったことも外国人介護人材に関わる我々にとっても明るい材料かと思います。《…もっとも、相手はウイルスですので今後どのように変異して猛毒化するやもしれませんので楽観できない点も心にとどめておく必要はあります》
私たちケアネットワーク協同組合は「介護人材に育つ環境づくりのお手伝い」を合い言葉に、これからも組合員事業所様を最大限にバックアップして参ります。
よろしくお願いします。(M)