外国人介護技能実習生の雇用形態と賃金 ー高いのに超したことは無いですが…ー【動画有り】
こんにちは。
ケアネットワーク協同組合の元木です。
(↑注:実物はこんなに若くはありません)
今回のテーマは「外国人介護技能実習生の雇用形態と賃金」です。
関連記事:人材を介護現場に定着化するための課題(選ばれない事業所にならないヒント)
【外国人介護技能実習生の賃金に関する取り扱い】
いわゆる「技能実習制度」において、技能実習生の賃金に関する本則は「賃金は、最低賃金額以上の額を支払わなければなりません」です。
ただし、介護職種においては上記に加えて「日本人との同等処遇」が要件として求められるため、事業所において現在雇用している日本人介護職スタッフと同等額以上の支給が必要です。
❌最低賃金 ≦ ⭕️現在雇用している日本人介護職スタッフの賃金
【外国人介護技能実習生の雇用形態】
当然のことですが、事業所によって賃金水準は異なります。また、雇用契約上、正職員かパートかの形態によっても賃金が変わります。雇用に関しては有期契約ということもあり「常勤パート(時給)」での形態を取られる事業所様が多いようです。(当組合の組合員事業所様の多くもそうです)
【最近の介護現場の賃金水準】
外国人介護技能実習生に限定したものではありませんが、ここで、最近の介護施設の賃金水準に関して触れてみたいと思います。直近の厚労省の資料によると施設形態別の介護職の平均月給は以下の通りです。
(厚労省:令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果 より抜粋、編集)
「低賃金」の代表格のように言われがちな介護職ですが、近年設けられた『介護職員処遇改善加算』や『介護職員等特定処遇改善加算』という制度により、賃金水準はここ数年で比較的大きく上昇しています。「日本人との同等処遇」が求められる外国人介護技能実習生の賃金も当然、これに伴い上昇しています。
(余談ですが、当組合の技能実習生は2019年夏に一期生として入国しました。2019年10月から算定された『介護職員等特定処遇改善加算』は、当初締結した雇用契約書には無かったため、実際に支払われた賃金が想像していたよりも多くなり、皆大変喜んでいました😄)
【お金は大事。でも…】
これは介護技能実習生全員といっても良いかと思いますが、彼/彼女たちは本国にいる家族へ送金したり、将来の夢に向けての貯金をしたり、普段からとても節約した生活を送っています。そういうこともあり、賃金は働く本人からすれば当然少しでも高いほうが嬉しいでしょう。ただ、介護技能実習生は賃金と同じくらい大切にしていることがあります。
それは「働く環境」です。
いくら賃金がよくても、働く環境や人間関係が良くない場合は帰国を希望する可能性もあります。
私がみてきた介護技能実習生の中には、
「長期で日本に働きたい」
「介護福祉士の資格を取得し日本に定住したい」
など、10年先の未来図を描いている人も多くいます。
バランスの取れた「環境・人・賃金」が大事になってきます。
【最後に】
賃金に関してはそれぞれの事業所様の事情もあり、いかんともし難い部分ではありますが、職場環境に関しては、
事前の準備や受け入れ後の創意工夫次第で劇的に良くなる
ことも少なくありません。
介護現場に携わっておられる方は、今一度、見直してみてはいかがでしょうか?
今回のblogの解説動画です(画像をクリックしてください)
外国人介護技能実習生の雇用形態と賃金:blog解説
私たちケアネットワーク協同組合は「介護人材に育つ環境づくりのお手伝い」を合い言葉に、これからも組合員事業所様を最大限にバックアップして参ります。
よろしくお願いします。(M)