2021.06.28

改めて読み返す介護職種の技能実習生の受入れに関するガイドライン」(後編)

こんにちは。 

ケアネットワーク協同組合の元木です。

(↑注:昨日、歯のクリーニングをしました)

今回は前回の続き『改めて読み返す「介護職種の技能実習生の受入れに関するガイドライン」(後編)』というテーマです。

介護職種の技能実習生の受入れに関するガイドライン


【4. 実習の実施について留意すべき事項】

本項目では「(1)夜勤等について」と「(2)技能実習指導員について」の2つについて触れられています。まず夜勤に関しては実習生の夜勤を認めていますが、実習生の負担の軽減及び安全性の担保等の観点から制限をかけています。具体的には『技能実習生以外の介護職員(主として技能実習指導員)と技能実習生の複数名で業務を行う』とあり、実習生のみが勤務する夜勤はNGです(具体例:1ユニットのグループホームでの一人夜勤)また、

技能実習生が配置される事業所と同一敷地内で一体的に運営されている事業所がある場合は、一体的に運営されている事業所に技能実習生以外の介護職員(主として技能実習指導員)を同時に配置する体制とすることも可能

とは同一敷地内に「特養とショートステイ」が併設されているような事業所であれば、「特養に実習生、ショートステイに技能実習生以外の介護職員」といった配置も可能となります。

次に技能実習指導員に関してですが、技能実習指導員の要件を確認しておくと、

技能実習指導員は、介護等の技能等について5年以上の経験を有する者の中から、技能実習生5名につき1名以上選任している必要があります。 また、そのうち1名以上は介護福祉士や看護師等の一定の専門性を有すると認められる者である必要があります

ということになっています。技能実習責任者は「技能実習責任者講習」の受講が必須となっていますが、技能実習指導員に関しての講習受講は必須ではありません。ただ本項では「推奨」されており、3号技能実習を実施するための「優良な実習実施者の要件」の判断基準での加点要素にもなるので、当組合としても組合員事業所様に対して技能実習責任者講習の受講をお勧めしています。


【5. 同等処遇の担保に関して留意すべき点】

本項目は賃金に関して、外国人介護技能実習生の処遇を日本人と同等にしていることを担保するために、賃金構造や実習生に対して丁寧な説明や情報公開を求めています。本項では言及されていませんが、個人的には「介護職員処遇改善加算」と「介護職員等特定処遇改善加算」に関しても(支給されている場合は)実習生に対して積極的に説明して頂きたいと思います。法人や事業所によって加算を算定しているか否か、算定しているとしても金額や支給方法も異なるため、日本人介護職員にとってもわかりにくい制度です。実習生はSNSを通じて他の実習生との情報交換を盛んに行っており、そんな中、自分たちの給与(賃金)に関してもかなりオープンに情報をやりとりをしています。「給料が増えているんだから、別に詳しい説明は不要だろう」などとは考えずに、実習生から尋ねられる前に事業所側から積極的に説明して頂きたいと思います。


【6.その他】

本項目は「(1)技能実習生の健康管理について」、「(2)技能実習生のメンタルヘルスケアについて」、「(3)相互理解について」の3つについて触れられています。技能実習生の健康管理についてですが、法定でも年1回の健康診断受診は必須ですし、夜勤を行う場合は年2回の健康診断受診が必要になります(介護事業所であれば、実施値指導でのチェック項目にも該当するので、この健康診断に関しては心配する向きは無いかと思います)

次に技能実習生のメンタルヘルスケアについてですが、実習生はほぼ全員が大なり小なりのホームシックにかかります。個人の意志で克服する例がほとんどですが、受入れ事業所や監理団体のスタッフが個々の実習生とまめにコミュニケーションを取ることが克服の早道になる例が多いです。「誰がどう」という話では無いのですが、ここは本項目での触れられている「生活指導員」さんが中心になって実習生の公私を盛り上げる活躍にぜひ期待したいところです。

3つめの相互理解に関していえば、自らの身を異国の日本に置いて公私とも生活する外国人技能実習生側が日本の文化風習に関して学習する速度や量はやはり圧倒的でどんどん吸収していきますが、それと比べると、受入れ側の事業所や監理団体のスタッフが実習生の出身国の文化風習を学ぶ速度や量は劣ってしまいます。ただ、そうはいっても普段の実習生を通じて垣間見られる出身国の文化風習を、ネット情報等で補いつつ、我々も積極的に学習していきたいものです。


【最後に】

2回にわたって「介護職種の技能実習生の受入れに関するガイドライン」を読み返してみましたが、ソース(情報源)というか制度の根拠となる書類を読み込むことは大切ですね。かくいう私も、日常業務ではついついQ&Aや解説した文章を読み込むだけで理解したつもりになっているのがほとんどです。自戒を込めて、本blogではこれからも機会があれば法令・通達等の読み込みをしたいと思います。


私たちケアネットワーク協同組合は「介護人材に育つ環境づくりのお手伝い」を合い言葉に、これからも組合員事業所様を最大限にバックアップして参ります。

 よろしくお願いします。(M