『介護職種に係る技能実習生の受入れの実態に関する調査研究報告書』から見える注目ポイント(その1)
こんにちは。
ケアネットワーク協同組合の元木です。
(↑注:今日の大阪の予想最高気温は34℃、明日は36℃です)
本日は「『介護職種に係る技能実習生の受入れの実態に関する調査研究報告書』から見える注目ポイント(その1)」というテーマです。
【今回の調査レポートについて】
『介護職種に係る技能実習生の受入れの実態に関する調査研究報告書』とは厚生労働省の補助金を利用して民間シンクタンクがまとめたレポートで『技能実習制度による外国⼈介護⼈材受⼊れに関する「実態把握」並びに「先進事例の収集」』を⽬的として、2021年4月にリリースされました。
本稿では『概要版』をベースに各項目を見ていきます。
【技能実習⽣の円滑な受⼊れ・定着のための⼯夫】
「介護事業所は、技能実習⽣の円滑な受⼊れ・定着のためにどのような⼯夫を⾏っているのか。」という項目の回答では、
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「監理団体や業界団体等の関係機関」が開催する、技能実習生に関する説明会等への参加
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仕事の進め方(業務フローや分担方法)や人員配置の見直し
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「日本人職員」に対する技能実習生受入れに関する説明
といったことが挙げられていますが、【ヒアリング調査記録より】という脚注的な部分に興味深い内容があるのでいくつかピックアップします。
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記載されたマニュアルを整備した。ミャンマー語に翻訳はせず、易しい⽇本語に書き換え、振り仮名やひらがなを多く使うなどの⼯夫をした。
【注】安易に「母国語に翻訳して表示」ではなく、敢えて日本語表記にこだわることも実習生の為にもなると思われます。
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教育計画の内容は技能実習指導員だけでなく、技能実習⽣を受け⼊れているフロアの職員や法⼈内の役職者にも共有している。
【注】技能実習生の教育計画の内容を技能実習指導員だけでなく、広く職員間で共有することは実習生にとって為になるのはもちろん、既存スタッフ間のコミュニケーションを大きく活性化する効果があります。
【介護事業所は、技能実習⽣及び技能実習制度をどのように評価しているのか。】
下記の6項目に関して、「非常に満足している」、「ほぼ満足している」、「あまり満足していない」、「満足していない」、「分からない」の5段階で評価してもらったところ、6項目全てで、「非常に満足している」と「ほぼ満足している」の合計で80%超の回答を得ています。特に、「技能実習⽣の業務に対する意欲」を⾼く評価していることが見て取れます。
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技能実習生が提供する介護サービスの質
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技能実習生の業務に対する意欲
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技能実習生に対する利用者の評価
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技能実習生に対する現場の日本人職員の評価
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技能実習生に対する事業所の責任者(施設長等)の評価
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総合満足度
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また「技能実習⽣を受け⼊れて良かったと思うこと」という項目の回答では
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技能実習生の働く様子を見ることで、日本人職員の仕事に対する意識が高まった(68.1%)
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日本人職員の異文化理解が深まった(65.5%)
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利用者が技能実習生との交流を喜んでいる(56.6%)
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日本人職員の指導力が伸びた(51.9%)
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受入れを機に介護業務の再確認を行ったことで、業務内容や手順等の標準化を図ることができた(41.3%)
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がTOP5となっており、【ヒアリング調査記録より】の中でも
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技能実習⽣は私たちに、⾼齢者に寄り添うことの重要性を改めて考えるきっかけをくれた。
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外国⼈である技能実習⽣が真⾯⽬に業務に取り組んでいることは⽇本⼈職員のモチベーションアップにつながっている。
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等の声が挙がっており、技能実習生が単に労働力として有用なだけではなく、受け入れることによりチームケミストリーが発生し、職場に活性化をもたらすことを実感する介護事業所が少なくないことがわかります。
参照過去記事:『外国人介護技能実習生を受け入れることのメリット(その1)』
(長くなりますので、続きはあと数日間にわたって掲載します)
【謝辞】
先週木曜日(7/15)、事務所にいた私宛に1本の電話がかかってきました。電話の主は「厚生労働省 社会・援護局福祉基盤課 福祉人材確保対策室」のO様でした。O様は当blogで掲載された
『外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究』から見える注目ポイント(その1)
『外国人介護人材の受入れ実態等に関する調査研究』から見える注目ポイント(その2)
を御覧頂いた上で、これらのレポートの流れを汲んだもっと新しいバージョン(←本稿で取りあげた『介護職種に係る技能実習生の受入れの実態に関する調査研究報告書』)が発出されていることをお伝えいただくためにわざわざ電話を掛けて頂いたのでした。
恥ずかしながら、本報告書の存在を知らなかった私はO様にお礼を述べてblogで取りあげさせて頂く旨をお伝えして電話を切りました。
本稿(とこれからあと数日の記事)はそのような経緯で誕生しました。
O様には改めて心よりお礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
【余談】
電話のあと、少し落ち着いてからネットで検索すると、O様は厚生労働省における外国人介護人材関連では、全国各地での様々な講演に呼ばれるキーマン的な存在で、私も少し前にJICWELSの特定技能に関するオンラインセミナーを視聴したときの講演者の方であると知ったのでした…💦💦💦
私たちケアネットワーク協同組合は「介護人材に育つ環境づくりのお手伝い」を合い言葉に、これからも組合員事業所様を最大限にバックアップして参ります。
よろしくお願いします。(M)