技能実習だけでなく特定技能制度も見直しへ-法務大臣が意気込みをみせる-
こんにちは。
ケアネットワーク協同組合の元木です。
今回は『技能実習だけでなく特定技能制度も見直しへ–法務大臣が意気込みをみせる–』というテーマです。
関連blog: 日経新聞『(社説)技能実習は速やかに廃止を』から考える制度の今後のあり方
特定技能2号の分野が大幅に拡大、就労は事実上『無期限』に –ただし介護分野は…-
【法相自身が意気込みをみせる制度の見直し?】
東京新聞(TOKYO Web)は2022年1月8日 06時00分付の記事で『技能実習、特定技能制度の見直し進める 古川法相が年頭所感』という記事を報じています。
一部抜粋(『赤文字』)しながら、内容を紹介します。(短い記事なので、ほぼ転載に近いカタチになってしまいますが、ご容赦願います)
冒頭にて『古川禎久法務大臣は7日、法務省で年頭所感を述べ、昨年、国会や報道で取りざたされた技能実習や特定技能について「これらは今見直しの時期を迎えている。この際、大胆に見直し対応に取り組みたい」と抜本的に2つの制度の見直しを進める意向を示した。』とし、「『技能実習制度には、本音と建前のいびつな使い分けが(ある)』との意見・指摘にも正面から向き合わなければならない。今、数十年に一度の大きなチャンス。果敢に見直しを進める。大切なのは改めるべきは改めるという誠実さだ」と積極的に見直す意向を表明しています。また、「この1年、皆さんと思いっきりバットを振りたい」と例えており、並々ならぬ意気込みが見て取れます。
【廃止という選択肢も含んだ制度見直しは既定路線??】
古川禎久法務大臣は上記の記事に先立つ、昨年(2021年)の11月26日の閣議後会見でも、「技能実習では、付則で5年後の見直しが、特定技能でも2年での見直しが盛り込まれており、在り方の是非含め今後、検討する。法律でも制度でも見直すべきものは見直すという不断の努力が大事だ」と両制度に関する見直しの検討について述べています。《参考記事:「【動画】技能実習制度の廃止 「在り方の是非含め検討」と古川法相」》
所轄官庁の一つである法務省の現役トップの大臣自らが技能実習や特定技能について繰り返し、この事に言及しているということは、廃止も含めた制度の見直しは既定路線と見ても良いのかもしれません。
【《現行制度の見直し》 or 《廃止して新制度創設》???】
法務大臣が見直しに繰り返し言及したとはいえ、実際にはいつどのようになされるのかというのは現状では不透明です。
直近のデータによると、
技能実習生:354,104人(2021年6月末現在 ※1)
特定技能外国人:38,337人(2021年9月末現在 ※2)
が日本国内に在住しています。
制度の見直し・変更に際しては、彼/彼女等の現在ならびに将来の処遇に関しては最大限担保しなければならないですし、仮に技能実習制度と特定技能制度が廃止されたとしても、代替する新制度の創設は不可避でしょう(外国人労働者の受け入れを完全に止めるワケにはいかない)。
穏健な選択肢としては技能実習制度と特定技能制度、それぞれの「現行制度の見直し」なのでしょうが、技能実習制度に関しては多方面から厳しい意見が寄せられていることを鑑みると、
『廃止して新制度創設(≒名称変更を伴う抜本的な見直し)』
が現実味を帯びてきます。
現在のところ見直しや代替案に関する具体的な報道はありませんが、厚生労働省と法務省は水面下でなんらかの準備をしているとみるのが順当かと思われますが、実態は不透明というか、我々にはうかがい知ることはできません。
【最後に】
ご存知のとおり、新型コロナウイルスの影響で2021年11月30日午前0時から新規入国が停止されました。停止期間は当初「1ヶ月を目処」ということでしたが、国内外での感染状況が悪化したことに伴い、この措置は継続され、終了の時期については今現在も不透明なままです。
入国再開の時期に関しては「ウイルス次第」なのは仕方ないのでしょうが、せめて制度の今後については現状の不透明さを解消して欲しいと願うのは私だけでしょうか。
私たちケアネットワーク協同組合は「介護人材に育つ環境づくりのお手伝い」を合い言葉に、これからも組合員事業所様を最大限にバックアップして参ります。
よろしくお願いします。(M)