『介護職種に係る技能実習生の受入れの実態に関する調査研究報告書』から見える注目ポイント(その2)
こんにちは。
ケアネットワーク協同組合の元木です。
本日は昨日に引き続き「『介護職種に係る技能実習生の受入れの実態に関する調査研究報告書』から見える注目ポイント(その2)」というテーマです。
本稿では『概要版』をベースに各項目を見ていきます。
【技能実習生同士によるエコシステムの構築】
「技能実習⽣本⼈は、⽇本でどのように就労、⽣活しているか。」という項目における【ヒアリング調査記録より】に興味深い内容があるのでピックアップしてみます。
① 技能実習⽣は⼀期⽣と⼆期⽣がおり、技能実習⽣から技能実習⽣に指導するという流れが定着している。
② ⼆期⽣のオンライン⾯接会に⼀期⽣2名も同席させた。また、最終的な選考ジャッジに関与したことで、⼆期⽣を指導する⽴場としての当事者意識を持ってもらうことも期待している。
「①」に関しては、当組合の組合員事業者様における実際の現場でもよく見聞きする事例です。同じ国から入国した二期生にしてみれば、先輩である一期生から教えを請うことはある意味、自然な流れともいえるでしょう。「②」に関して、新たに続く二期生以降の面接に一期生などの先輩実習生を同席させることで複眼的な選考が可能になり、二期生のモチベーション向上や面接に臨む候補生も先輩実習生の生の声を聞けるといった様々なメリットがあるので、まだ試されたことがない事業所にはぜひオススメしておきます。
【実習⽣本⼈による仕事の満足度と実習修了後の意向】
実習生に対して「仕事に対する満足度」という設問において以下の4項目に関して、「とても満足している」、「ほとんど満足している」、「あまり満足していない」、「満足していない」、「わからない・答えたくない」の5段階で評価してもらったところ、4項目全てで「とても満足している」と「ほとんど満足している」の合計が90%前後の回答を占め、満足度の高さがうかがえます。
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仕事の内容
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働いている施設のスタッフとの関係
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働いている施設の環境(施設のきれいさや介護器具がととのっているかなど)
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仕事全部を通して
また、「実習修了後の意向」という設問に対する回答は
1位 介護福祉士の資格をとって、日本で介護の仕事をする(40.8%)
2位(同率) 自分の国へ帰って介護の仕事をする(15.5%)
2位(同率) 自分の国へ帰って介護以外の仕事をする(15.5%)
4位 介護福祉士の資格はとらないが、日本で介護の仕事をする(8.6%)
がTOP4となっており、1位と4位を合わせると約50%の実習生が日本での介護職種を希望しており、同率2位を合わせると約30%が自国への帰国を希望していることがわかります。
【監理団体は事業所の近所にあった方が良い?】
「監理団体は、受⼊れ事業所と技能実習⽣に対してどのような⽀援を提供しているのか。」という項目における【ヒアリング調査記録より】に
受⼊れ事業所は、監理団体の事務所から新幹線で1時間半程度の場所に位置しており、気軽に訪問できる距離にあるとは⾔い難い。しかし、担当者同⼠は週に何度も電話で話せるような関係性にあり、技能実習⽣の⽣活の様⼦やフロアでの出来事など、⽇常的な情報交換を⾏っている。
との記載がありました。監理団体が事業所の近くの場所にあって困ることは何も無いと思いますが、上記のように(やや)離れた場所にあっても電話やメールを利用しての意思疎通ができていれば普段の業務ではほぼ問題はないでしょう。
当組合(事務所は大阪府吹田市)でも愛知県や岡山県といった隣接していない、やや離れた組合員事業所様がいらっしゃいますが、良好に実習を継続させて頂いております。
監理団体が事業所の近くにあっても、監理団体(の担当者)のレスポンスが悪ければ意味がありません。監理団体に関しては
「遠い・近い」よりも「レスポンスが良い・悪い」を気にされるほうがはるかに肝要
かと思います。
(明日に続きます)
私たちケアネットワーク協同組合は「介護人材に育つ環境づくりのお手伝い」を合い言葉に、これからも組合員事業所様を最大限にバックアップして参ります。
よろしくお願いします。(M)