やはり足りなくなる介護人材【コロナ禍が収まれば人材の奪い合い?】《動画有り》
こんにちは。
ケアネットワーク協同組合の元木です。
(↑注:九州は梅雨明けしましたが近畿はまだでしょうか)
本日は『やはり足りなくなる介護人材【コロナ禍が収まれば人材の奪い合い?】』というテーマです。
関連記事:介護職の年収450万円時代の到来(?) -どうして今、介護職の処遇改善を進めるのか-
【2040年度までに介護職員は現在よりも69万人増やす必要アリ】
2021年7月9日、厚生労働省から『第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について』というニュースリリースが発表されました。下記の図を参照すると、統計から確定している2019年度の介護職員数の実数は約211万人。今後も高齢者の増加に伴い、必要な介護職員数は増え続け、2023年度には約233万人(+22万人)、2025年度には約243万人(+32万人)、2040年度には約280万人(+69万人)に上ると試算しています。
【2025年問題】
将来必要とされる介護職員数に関して厚生労働省は折に触れて推定値を発表しています。少し前になりますが、2015年6月24日付のニュースリリース『2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について』で発表された数値と比較してみましょう。「2025年」というのは、団塊の世代が全員75歳以上になり後期高齢者数が急増するとみられる年でいわゆる「2025年問題」として広く認知されています。ちなみに2025年には後期高齢者人口だけで約2,200万人、その他高齢者も含めた総高齢者人口は約 3,500 万人と推定されています。
このニュースリリースが発表された当時は2013年度の介護職員数の実数は約171万人(確定数)とし、2025年度の必要数は約253万人(+82万人)と見込んでいました。前章と比較して頂ければわかるとおり、今回の推定では約243万人と、2015年当時よりも約10万人少なくなっています。《邪推すれば、介護現場の効率化(IT化、センサーの利用etc.)等を加味しての減少なのかもしれませんが、正確な減少理由は定かではありません。》ただ、約10万人の差はあれど、介護職員の増員が必要との認識には変わりなく、2019年を基準に考えると、6年程度の将来で32万人、16年程度の将来で69万人の介護職員の増員が必要だと厚生労働省は想定しているということです。
【算数】
計算上は2025年度までは毎年約5.3万人を、2026年度からは2040年度までは毎年約3.3万人を増員していけば充足することになります。ただ、ここ3年間の増員数は年平均3.7万人にとどまっており、仮にこのままのペースでいくと、2025年度の時点で約10万人の不足となることが予想されます。
【介護職への求職者が多くなった???】
ここ最近のハナシではありますが、新型コロナ禍による産業全体への悪影響の下、他産業と比べると比較的業績の落ち込みが少なく、慢性的な人不足の介護業界に労働者が流入しているという報道があります。
《コロナで労働市場変化人手不足、「コンビニ」「介護」に続々:毎日新聞》
日頃、採用の窓口として最前線に立たれておられる介護事業所の人事担当者の方の中にも、肌感覚としてそのように感じられておられる方は少なくないでしょう。ただし、これはあくまで一時的な「流行」のようなものであり、コロナが収束して産業全体に活気が戻った際には、この「流行」はあっという間に消えて無くなることを今から覚悟しておく必要があるかと思います。
【最後に】
ニュースリリース『2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について』に戻りますが、国も来るべき介護人材の不足に対して考える対策として以下の5点を挙げています。
➀介護職員の処遇改善
➁多様な人材の確保・育成
➂離職防止・定着促進・生産性向上
➃介護職の魅力向上
➄外国人材の受入環境整備
上記は国としての支援策を述べた内容ですが、そう遠くない将来に、確実にやって来る『人材の奪い合い』に備えて、自分の介護事業所としては『どのような手を打つべきなのか』もしくは『今からどのような手を打っていくのか』を考えることは、早いに越したことは無いでしょう。
外国人介護人材の導入を考えておられるのであれば、これも早いに越したことはありません。迷われておられるのであれば、ぜひ一度、ケアネットワーク協同組合にご相談ください。
今回のblogの解説動画です(画像をクリックしてください)
やはり足りなくなる介護人材【コロナ禍が収まれば人材の奪い合い?】:blog解説
私たちケアネットワーク協同組合は「介護人材に育つ環境づくりのお手伝い」を合い言葉に、これからも組合員事業所様を最大限にバックアップして参ります。
よろしくお願いします。(M)